国民年金の学生納付特例とは

人事労務関連

皆様、国民年金の支払が20歳に到達した月から必要になることはご存じでしょうか。
大学に通っている学生の皆様も本来は月額約17,000円の国民年金保険料を支払わなければならないのです。年額にして約204,000円ですよ( ;∀;)
でも、そんなお金払えないよ っていうのが本音ですよね。。。
そこで今回は、20歳を過ぎた学生向けに学生納付特例という制度をご紹介させていただきます。

学生納付特例とは

20歳以上の学生において、一定の所得基準を下回る場合、在学期間中の国民年金保険料の納付を猶予する制度です。
簡単に言うと、「成人してて本来なら徴収するけど、学生は金ないから後で支払いにしてやるよ。でも別に払いたかったら今払ってもいいよ」って制度です^^
学生納付特例は手続きをしておくことで、万一の事故などの場合にも障害基礎年金や遺族基礎年金が受給できるようになります。
手続き漏れにより未納期間となってしまうと、各種年金が受給できないなんて事態になってしまう可能性があります。

学生納付特例の対象者

・学生納付特例を受けようとする年度の前年の所得が一定以下学生

所得が一定以下とは・・・128万円+(扶養親族等×38万円+社会保険料控除等) ※()内に関しては親の扶養に入っていればゼロになる。また、この所得は家族の収入は一切関係なく本人のみの収入で考えます

学生とは・・・大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校 夜間・定時制課程も含まれるのでほとんどの学生が対象になります

申請方法

申請先

・在学中の学校(まずは在学中の学校に問い合わせしてみましょう)
・住民登録している市町村の国民年金窓口
・お近くの年金事務所

申請書類

書類はこちら⇒https://www.nenkin.go.jp/shinsei/kokunen/kokunen.files/23.pdf

書類一覧⇒https://www.nenkin.go.jp/shinsei/kokunen/kokunen.html#cms400

電子申請も可能です。
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri_kojin/denshibenri_kojin/mynaportal.html

手続きのメリット

・保険料納付済期間として扱われる

⇒老齢基礎年金の支給には保険料支払済期間と保険料免除期間が合わせて10年以上必要になりますが、保険料未納期間はこの10年には含まれません。学生納付特例期間はこの10年の中に含めることが可能なので、その点、大きなメリットがあります。

⇒また、万一、不慮の事故等で障害を負ったり死亡した際に、障害基礎年金及び遺族基礎年金の要件である保険料納付済期間としてカウントできます

障害基礎年金と遺族基礎年金を受給する場合には、以下どちらかの要件を満たしていないと受給できません。(保険料納付要件)
1.初診日(死亡日)の前々月までの被保険者期間のうち保険料納付済期間が3分の2以上ある場合
2.初診日(死亡日)の前々月までの1年間に保険料未納期間がない場合

学生納付特例期間は上記の保険料納付済期間として扱われるということです。

☞具体的に
大学在学中の22歳と7ヶ月の時に交通事故で障害を負った場合

・20歳になった月に学生納付特例の申請をしているor国民年金を納めている⇒保険料納付要件を満たす(上記1,2どちらも満たす)

21歳と5ヶ月になった月に学生納付特例の申請をしている⇒保険料納付要件を満たす(上記1は満たさないが、2を満たす)

手続きをしていなかった場合⇒支給されない

※保険料納付要件に関しては、事後手続きしても受給できないのでご注意ください。

国民年金に関しては以下をご参考にください☟☟☟(支給額に関しても説明しております)

保険料の追納

学生納付特例は、保険料納付済期間として扱われますが、将来受給される年金額には反映されません。
そこで追納という制度があり、学生納付特例の承認を受けた期間は、10年以内であれば遡って保険料を納付することができます。
追納をしなかった場合、満額の年金は受給できないということになってしまいます。

また、追納する際には、一定の加算金が上乗せされますので、注意が必要です。
追納を行った場合、社会保険料控除として所得税・住民税の減税になりますので、その点も押さえておくとよいでしょう。

制度上の注意点

これまでの説明と少し重複する箇所もございますが、とても重要なので以下の通りまとめさせていただきます。

・追納しない限り将来貰える年金額には反映されない

国民年金には一部年金額に反映する免除や、全額納付したものとみなされる産前産後期間の免除がございますが、学生納付特例の免除は将来の年金額に反映しませんのでご注意ください。
追納する場合も10年以内でないとできませんので、ご注意ください。

・申請漏れで受給できない年金がある

障害基礎年金や遺族基礎年金は初診日(死亡日)の前日時点において保険料の納付状況を確認されます。つまり事故にあったり、障害を負った際に申請漏れに気づき、後から申請しても手遅れになってしまうので充分にご注意ください。

・申請は年度ごとに行う(4月~翌年3月)

20歳になったときは誕生月から、その年度の3月分まで申請
その後は年度ごとに申請という流れになります。特例を受ける場合は毎年申請の必要がございます。

・申請が漏れていても2年1ヶ月前まで遡って申請できる

申請漏れに気づいても、2年1ヶ月前までであれば遡って申請が可能です。その期間を過ぎてしまうと、保険料未納期間となってしまい追納もできなくなってしまいます。
⇒しかし、障害基礎年金や遺族基礎年金の保険料納付要件はクリアできないのでご注意ください。

まとめ

学生特例納付について説明してきました。言葉は聞いたことあっても細かい内容までは知らなかったという方も多いのではないでしょうか。
実際に私も学生時代は、両親に言われるまで、制度自体よくわかってなかったです(^_-)-☆
納付できる方は20歳から納付するに越したことはございませんが、金銭的に納付猶予したいという方は早めの申請をお願いします!!
よくわからないからと言って放っておくと色々と損してしまう可能性がありますので。。。

学生の皆様が少しでも制度について理解できれば幸いです。

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