メジャーなiDeCoに比べるとマッチング拠出ってあまり馴染みが無いかもしれません。
それは、マッチング拠出ができる人が限られているという点にあるかもしれません。
メリット、デメリットを理解し、有効活用できれば大きな資産形成につながります!

マッチング拠出の概要について
・マッチング拠出とは企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)を行っている企業において会社が負担する掛金に合わせて、ご自身でも金額を設定し給与天引きで会社掛金に上乗せして拠出する制度です。
加入可能な対象者および拠出可能額について
・マッチング拠出を行うためには、勤務先の会社に企業型DCがあり、かつ会社側でマッチング拠出ができる旨の規定を定めている必要があります。
ひとまず、ご自身の勤め先で加入している企業型DCがマッチング拠出可能かどうかお問い合わせください。
また、マッチング拠出はiDeCoとの併用ができないため、どちらか一方のみ選択可能となります。
・拠出可能額
①企業型DCのみの会社⇒会社掛金+マッチング拠出 合計額が月額55,000円以下
②企業型DC+企業型DB等の他の企業年金がある会社
⇒会社掛金+マッチング拠出 合計額が月額27,500円以下
※①,②ともにマッチング拠出の額は会社掛金以下の範囲 ☜ここ、かなり重要
★具体的には①に該当する会社で企業型DCの会社掛金が5,000円の場合、合算額で5.5万円が上限となりますが、会社掛金以下にしなければいけないため、マッチング拠出の上限額は5,000円となります。
メリット

・所得控除・・・マッチング拠出の掛金は全額所得控除できますので、所得税、住民税を減税することができます。
・管理手数料等がかからない・・・iDeCoで発生する手数料はマッチング拠出に関しては発生しません。会社側が負担してくれております。
・手続きが簡単・・・煩雑な手続きはすべて会社が行ってくれます。ご自身で行う手続きはとてもシンプルな申込書ぐらいで済みます。
デメリット

・60歳まで現金化できない・・・マッチング拠出を利用し個人拠出した掛金に関しても原則60歳まで現金化できないため、長期間資金拘束されます。
・掛金上限額が少額になる可能性が高い・・・上述の拠出可能額にあるように、マッチング拠出の場合、会社掛金以下の範囲でなければいけないため、とても少額しか拠出できない可能性があります。
・商品ラインナップが少ない・・・企業型DCは銀行や信金等に委託されている場合が多く、マッチング拠出で選択できる商品が限定される場合が多いです。また、商品も銀行が儲かる手数料の割と高めの商品が多い傾向にあります。
iDeCoとマッチング拠出どちらが有利か
これまでマッチング拠出を実施している企業に勤めている場合、iDeCoへの加入ができませんでした。
しかし、2022年10月からは、そのような方でもiDeCoへの加入が可能となりました。
では、マッチング拠出とiDeCoどちらを利用すればいいのでしょうか。

★マッチング拠出が有利な点
・口座管理料がかからない・・・iDeCoの場合、口座開設手数料、口座管理手数料、事務委託手数料 等々 年間で数千円程度、手数料を取られますが、マッチング拠出の場合そのような手数料は全て会社が負担してくれます。
・手続きが楽・・・iDeCoの場合、必要になってくるのが金融機関への手続きです。ネットで手続き可能となり、簡単になったとはいえ、まだまだめんどくさい手続きが多いのが現状です。
その点、マッチング拠出であれば、金融機関への手続きはすべて会社が行ってくれますので、非常に楽です。また、マッチング拠出の場合、年末調整の際、会社側ですべての手続きを行ってくれますので、iDeCoのように証明書を会社に提出し、控除項目として記入する手間が省けます。
★iDeCoが有利な点
・商品ラインナップが多様・・・SBI証券や楽天証券等のネット証券でiDeCoに加入すれば、非常に多様なラインナップの中から商品選択が可能です。信託手数料に関してもかなり安く押さえられる商品が多くあります。
・掛金上限額が一定・・・マッチング拠出の場合、会社掛金の額により、拠出可能額が大きく変わってきます。例えば、会社の拠出額が1,000円の場合、個人で拠出できる額も1,000円が上限となり、節税メリットがあまりなく、資産形成にも繋がりにくいです。その点、iDeCoであれば会社掛金等関係なく、ご自身の上限額まで拠出可能となります。
以下、iDeCoの掛金上限額等の概要は参考にしてください。☟☟☟
まとめ
実際に私はマッチング拠出とiDeCoを選択できる立場にありますが、SBI証券でiDeCoに加入し【eMAXIS slimのS&P500】に毎月1.2万円拠出しております。
私の場合、マッチング拠出を行った場合、月に5,000円までしか拠出できないのと、企業DCの商品ラインナップが少ないというのが、iDeCoを選択した理由です。
皆様もまずはご自身の状況を把握し、加入メリット、デメリットをご理解いただいた上で、資産形成に繋げていただけたら幸いです。
皆様に少しでも有益な情報がお届けできたらうれしいです^^
